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記念品が給与に該当?給与課税の対象になる品と経理処理上の注意点

年度初めには、創業記念品や永年勤続記念品などを社員へ贈る企業もあるでしょう。こうした記念品は福利厚生費にあたりますが、要件を満たさないと給与として扱われ、課税の対象となります。

せっかくの記念品にもかかわらず、税金がかかることで嬉しさやありがたみが半減してしまうおそれがあります。また会社としても、給与勘定で経理処理し源泉徴収を行う必要があるため、手間と時間がかかってしまいます。記念品は、あらかじめ課税されないものを選ぶほうが望ましいといえるでしょう。

今回は、記念品の給与課税についてご紹介します。経理処理上の注意点にも触れているので、ぜひ担当者の方はご一読ください。

記念品は給与課税される?されない?

創業記念というめでたい日であっても、お金やものを支給すれば社員への給与として扱われます。仮に給与にあたるところを誤って福利厚生費として計上してしまうと、記念品を受け取った社員は所得税や住民税を追加で徴収されますし、会社側は源泉所得税の納付漏れを疑われてしまうことになります。

しかし、行事ごとの贈り物については税務上の要件を満たせば福利厚生費として認められるため、給与課税の対象とはなりません。以下は、国税庁が定めている要件です。

・支給する記念品が、社会一般的にみて記念品としてふさわしいもの
・記念品の処分見込価額による評価額が1万円以下であること(消費税・地方消費税の額を除く)
・創業記念のように一定期間ごとに行う行事で支給する記念品は、おおむね5年以上の間隔で支給する
・現金での支給は対象外である
・建築業者や造船業者などが請負工事などに際して支給するものでないこと

参考:国税庁「No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき

1つでも要件を満たさなければ、記念品は給与として扱われ、税金の支払い義務が生じます。

上記では「現金の支給は対象外」とありますが、商品券や金券のほか、本人が自由に記念品を選択できるカタログギフト、宝石・貴金属など高価なものも課税対象になるため注意が必要です。

福利厚生制度の支出が課税対象になるか否かは、税務上の判断基準によります。目安となる判断基準は、「機会の平等性」「社会通念性」「実費の精算」の3点です。

機会の平等性

記念品を福利厚生費として処理する際、原則として「すべての社員に記念品を与える機会が平等にあること」が前提となります。仮に記念品の支給を特定の社員のみにすると、記念品は経費ではなく給与や賞与と判断されてしまうため注意してください。

社会通念性

企業が定める福利厚生制度が「社会の一般的な慣習にあてはまる」のであれば、福利厚生費として計上できます。福利厚生費として処理できる費用には上限があり、「通常要する費用(社会通念上妥当だと判断できる金額)」とされています。

つまり、常識的に考えて問題がなければ、所得税を課税しなくていいと考えて問題はないでしょう。

実費の精算

福利厚生制度には、交通費や宿泊費のように実費弁償の性質を含むものがあります。会社と社員の雇用関係に基づく収入であること、また業務を行ううえで必要な費用なので、これらは給与としてではなく経費として計上できます。

上記3つの判断基準に照らし合わせると、所得税がかからないもの、一部のみ課税対象になるものが出てきます。素人目には判断が難しいので、法律や税金に詳しい専門家に相談しつつ、適切に会計処理を行うことが大切です。

永年勤続者に支給する記念品とは

企業に長く勤める社員に対し、日頃の感謝を伝える「永年勤続表彰」。お祝いする勤続年数は会社によって異なりますが、10年ごとに行われることが多いです。最初は5年目に、その後は10年単位で表彰するケースも少なくありません。

長く勤めれば勤めるほど、贈られる記念品は立派になっていきますが、永年勤続者に支給する記念品も場合によっては給与課税がかかります。永年勤続者へ支給する記念品が福利厚生費になるかどうかは、「記念品の金額」と「勤続年数」が判断基準となります。

記念品の相場

記念品の相場は勤続年数によって異なり、以下のように金額が推移しています。ただし、企業によっても金額には差があるので、以下の数字はあくまでも目安として参考にしてください。

勤続年数 記念品の相場
5年 1万5,000円
10年 3万6,000円
15年 3万7,000円
20年 7万4,000円
25年 7万1,000円
30年 13万1,000円

参照:産労総合研究所「永年勤続表彰に関する調査

記念品が福利厚生費として計上するには、以下の項目を満たす必要があります。

・永年勤続者の勤続年数と地位に照らし合わせつつ、社会一般的にみて相当な金額以内であること
・対象者の勤続年数が10年以上であること
・同じ人を2回以上表彰する際は前のときからおおむね5年以上間隔が空いていること

参考:国税庁「〔給与等に係る経済的利益〕

給与課税“される”もの

一般的な記念品と同様に、永年勤続者へ贈る記念品であっても現金や商品券、プリペイド型カード、カタログギフト、高価な宝飾品などは全額、給与課税の対象となります。

給与課税“されない”もの

永年勤続者への記念品で、給与課税の対象にならないものは、旅行や観劇などの「招待費用」です。

「旅行券も金券と同じように換金できるのに、なぜ対象外なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。たしかに、旅行券は金券や商品券などと同様に現金に換えられますが、以下の条件を満たせば給与課税の対象にはなりません。

  • ・旅行券の支給後、1年以内に利用すること
  • ・旅行範囲が支給額相当であること
  • ・旅行券を使って旅行へ行ったという証拠(報告書や旅行先の資料など)を提出すること
  • ・旅行券の支給後、1年以内に利用しなかった場合は旅行券を会社に返還すること

旅行券を記念品として支給する際は、上記の注意事項も合わせて共有してあげましょう。

会社の経理処理上の注意点

繰り返しになりますが、創業記念品や永年勤続記念品は福利厚生費、または給与・賞与として経理処理を行わなくてはなりません。

後者の場合、給与勘定で処理して源泉徴収を行う必要がありますが、課税対象の記念品を福利厚生費として処理すると、社員に金銭的負担がかかるだけでなく、会社も信頼や信用を失うおそれがあります。

経理処理でのミスをなくすためにも、福利厚生制度に関する社内規程を整え、記念品における品や支出の管理を徹底することが大切です。

給与課税に配慮して感謝の記念品を贈ろう

記念品は要件を満たせば福利厚生費として経理処理ができます。給与として扱われてしまうと所得税がかかり、会社にとっても社員にとっても負担がかかるため、福利厚生費として処理できるよう条件を把握しておくことをおすすめします。

福利厚生費用の税務上の判断は容易ではありませんが、「一般的な常識に照らし合わせるとどうか」という点が意外と重視されています。福利厚生制度について社内規定を整えつつ、支出の管理を徹底していきましょう。

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