油性スタンプ台のインキの特長やメリットとは?用途、おすすめもご紹介

油性スタンプ台のインキの特長やメリットとは?用途、おすすめもご紹介
油性スタンプ台のインキの特長やメリットとは?用途、おすすめもご紹介
2021.07.28(更新日 2024.04.02)

オフィスをはじめ、さまざまな場所で使われているスタンプ台。速乾性に優れた油性のスタンプ台は事務作業などでよく使用されており、インキの種類によっては紙だけでなく、工業用の非吸収面素材などにもスタンプを押すことができます。

一方、発色がいい水性スタンプ台は長期保存を必要とする書類へのなつ印のほか、手形アートなどの制作にも使われています。

今回は幅広い仕事の現場で活躍する、油性・水性スタンプ台の特長や用途のほか、一般的に使用される頻度の高いシヤチハタの油性スタンプ台を用途別に3種類ご紹介します。加えて、スタンプ台と一緒に使用されるゴム印の劣化を防ぐ方法もお伝えするので、普段からスタンプ台を使用する方はぜひご一読ください。

油性スタンプ台の特長

スタンプ台のインキは、使用する溶剤(水性・油性)と着色剤(染料・顔料)によってその性質が変わります。こちらでは、油性インキと水性インキの違い、着色剤の種類、油性スタンプ台の特長についてご紹介します。

溶剤

油性インキと水性インキでは、使用する溶剤が異なります。

油性インキは有機化合物でできた「有機溶剤」を使用しています。有機溶剤が揮発するため臭気があり、粘度が高く、水ににじみにくいという性質があります。速乾性に優れており、紙やプラスチック、金属などさまざまな素材に使用できます。

一方、水性インキは「不純物の少ない水(精製水)」を使用しています。乾燥時に水分が蒸発するため油性インキと比べると臭気が少なく、粘度も低いです。プラスチックやビニールなどの水を弾く性質のある素材には使用できません。紙の裏写りは起こりにくいですが、乾燥に時間がかかるため、にじみやかすれに注意が必要です。

着色剤

着色剤には染料と顔料があり、溶剤に溶ける着色剤が染料、溶剤に溶けない着色剤が顔料です。

染料は溶剤に均一に溶けるので、紙や布の繊維の隙間に染み込み着色します。発色性がよい反面、耐光性はやや弱いという特長があります。一方、顔料は水に溶けず、紙や布の表面に残ることで着色します。耐光性や耐水性に優れているため、長期保存が必要な書類などへのなつ印にも適しています。

油性スタンプ台の種類と特長

油性スタンプ台には、「油性染料インキ」と「油性顔料インキ」があります。

染料インキは発色がよく、顔料インキでは色が乗りにくいアート紙やコート紙にも使用可能です。カラーバリエーションが豊富なので、プレゼントに添えるメッセージカードのデコレーションなどにもおすすめです。

一方、顔料インキは一般的によく使われるスタンプ台です。

シヤチハタ スタンプ台 中形
シヤチハタ スタンプ台 中形
ひと目で色がわかる普通紙用スタンプ台

コピー紙や上質紙などの普通紙と相性がよく、速乾性に優れており、色が薄れたりかすれたりすることがほとんどありません。書類へのなつ印のほか、年賀状や手紙などへ住所や絵柄を押す際にも重宝します。

このように、スタンプ台のインキは配合する溶剤・着色剤の種類によって、相性のよい対象物が変わります。油性スタンプ台を選ぶ際は、インキの特性を知ったうえで、用途に適したものを選びましょう。

なお、スタンプ台と朱肉は似ていますが、スタンプ台はゴム印を使うことを想定してつくられています。印面の素材に影響しづらいインキ配合になっているので、色味が近いからと朱肉で代用すると、ゴム印を傷めてしまう可能性があります。

水性スタンプ台の特長

水性スタンプ台にも「染料系」と「顔料系」があります。

水性染料系のスタンプ台は、発色が鮮やかです。インキが繊維に染み込みやすいため、光沢紙などのインキを吸収しにくい紙類にも使用可能です。

対して、一般的な水性スタンプ台にあたるのが水性顔料系です。水性顔料系のスタンプ台は表面に凹凸があり、色あせしにくいという特長があります。

水性顔料系スタンプ台 中形
水性顔料系スタンプ台 中形
小切手、手形、証券類などに最適

会社の書類や小切手、手形、証券類など、長く保存する必要のある重要書類のなつ印におすすめです。普通紙のほか、和紙やノンカーボン紙などにもスタンプできます。

スタンプ台の選び方については、下記のコラムにもまとめています。ぜひ、合わせてご覧ください。

スタンプ台はどう選ぶ?比較ポイントとカラーが豊富な「いろもよう」のご紹介

油性スタンプ台の用途とおすすめ

以下では、油性のスタンプ台の主な用途とシヤチハタのおすすめ商品をご紹介します。

書類などの普通紙に

油性顔料系のスタンプ台は、コピー用紙(PPC用紙)や上質紙など「表面加工がされていない普通紙」にピッタリです。速乾性が高く色移りする心配が少ないので、スタンプした書類をすぐに重ねられて便利です。

また、耐水性・耐光性に優れているため、色褪せしにくいという特長があります。長期保存する書類へのなつ印には、油性顔料系のスタンプ台を使用しましょう。

シヤチハタの油性顔料系スタンプ台

シヤチハタ スタンプ台 中形
シヤチハタ スタンプ台 中形
ひと目で色がわかる普通紙用スタンプ台

「シヤチハタ スタンプ台」は、最もメジャーなスタンプ台の一つ。油性顔料系インキを採用しており、普通紙へのなつ印なら3秒ほどで乾きます。水に強く、退色しにくい点も便利です。

独自のインキコントロール技術と盤面の吸収力アップにより、軽く押すだけで濃く、美しくなつ印ができます。インキ補充も可能で、繰り返し使用できて経済的です。

インキ 油性顔料
インキ色 10色(黒・赤・藍色・緑・紫・朱色・牡丹・茶色・黄色・空色)
※牡丹・茶色・黄色・空色の4色は別注
サイズ 小形:63 x 40mm
中形:90 x 56mm
大形:106 x 67mm
特大形:143 x 87mm

チラシやカタログなどの光沢紙に

油性染料系のスタンプ台はチラシやカタログ、包装紙のように「表面がツルツルした光沢紙」へのなつ印に最適です。

紙の表面にインキがのる顔料とは異なり、染料は紙に染み込む性質を持っています。カタログなどに社名をスタンプする際は、油性染料系のスタンプ台を使用しましょう。

なお、油性染料系のスタンプ台は普通紙にも問題なく使用できます。ただし、油性顔料系よりも耐光性はやや劣るので、色褪せないように保管方法に注意してください。

シヤチハタの油性染料系スタンプ台

フォアコート スタンプ台 中形
フォアコート スタンプ台 中形
光沢紙でより速く乾く!

コート紙やアート紙などのように、光沢のある紙へのなつ印に最適な速乾性が自慢のスタンプ台です。光沢紙なら1分ほど、普通紙なら約1秒で乾きます。チラシやカタログ、DM、ポスターなどになつ印できるほか、普通紙にも問題なく使用できます。

きめ細かな表布を採用しており、均一でムラのない印影に仕上がります。発色が鮮やかなのに見やすく、耐水性にも優れているので、なつ印後もにじみにくいです。インキ補充もでき、繰り返し使えて経済的ですよ。

なお、フタは盤面乾燥を防ぐために、ワンタッチでロックできる仕様になっています。

インキ 油性染料
インキ色 3色(黒・赤・藍色)
サイズ 中形:90 x 56mm
大形:106 x 67mm

工業用の非吸収面素材などに

油性のスタンプ台には金属やプラスチック、ガラス、陶器、木材、皮革(ひかく)などの非吸収面素材に使用できるものもあります。

用途としては、基板へロット番号を入れたり、部品へ識別番号を付けたり、食品包材へ賞味期限を入れたりする際などに活用します。

シヤチハタの工業用スタンプ台

強着スタンプ台 タート 多目的用 中形
強着スタンプ台 タート 多目的用 中形
コート紙や木、金属、プラスチックにも

シヤチハタ「強着スタンプ台 タート」は、おもに工業用マーキングに使用するスタンプ台です。非吸収面・半吸収面へのなつ印に適しており、金属やプラスチック、ガラス、陶器、木材、皮革などにもマーキングが可能です。

金属用プラスチック用、さまざまな用途に使用できる多目的用があるため、用途に応じて使い分けましょう。

強着スタンプ台 タート〈金属用〉 中形 黒
強着スタンプ台 タート〈金属用〉 中形 黒
金属へのなつ印に最適

強着スタンプ台 タート〈プラスチック用〉 中形 黒
強着スタンプ台 タート〈プラスチック用〉 中形 黒
プラスチックスへのなつ印に最適

それぞれのスタンプ台の詳しい情報は、以下をご覧ください。

多目的用

インキ 油性顔料
用途例 写真、布地、皮革製品、店頭POP、クリアーホルダー など
インキ色 5色(黒・赤・藍色・緑・紫)
サイズ 中形:90 x 56mm
大形:106 x 67mm
特大形:143 x 87mm

金属用

インキ 油性染料
用途例 機械部品、金属プレート、ガラス、タイル、レンガ、陶磁器 など
インキ色
サイズ 中形:90 x 56mm
大形:106 x 67mm
特大形:143 x 87mm

プラスチック用

インキ 油性染料
用途例 メラミン化粧板、粘着テープ、発泡スチロール、ゴム手袋 など
インキ色
サイズ 中形:90 x 56mm
大形:106 x 67mm
特大形:143 x 87mm

ゴム印の劣化はスタンプ台のせい?長持ちさせる方法

こちらでは、スタンプ台とセットで使用するゴム印を長持ちさせる方法についてご紹介します。

ゴム印をこまめに掃除する

ゴム印の劣化を防ぐには、こまめな掃除が大切です。

印鑑の場合、その都度朱肉を拭き取りますよね。同様に、ゴム印も使用後はきちんとインキを拭き取りましょう。不要な紙に10回ほど軽く押し当てるだけで、ある程度きれいな状態を保つことができます。汚れがひどいようなら、溶剤を使うなどして掃除してくださいね。

耐油性のゴム印を使用する

スタンプ台に含まれる溶剤は、ゴムを膨張させてしまうこともあります。それによってゴム印の劣化が進み、文字の部分などが潰れてしまうため、耐油性のあるゴム印を使用しましょう。

カラフルな油性スタンプ台も

手帳のデコレーションなどスタンプはアイデア次第で幅広く活用できます。油性スタンプと聞くと、シンプルな色合いがイメージされますが、実はデコレーションにも使えるカラフルなものも。

用途に応じて最適な油性・水性スタンプ台を選ぼう

インキが油性なのか水性なのか、染料系なのか顔料系なのかによってスタンプ台の特長は異なります。何に使用するのかを考えたうえで、速乾性や耐水性、耐光性などの必要な特性が備わっているかを確認しましょう。

ご紹介したアイテムを参考にしつつ、用途に応じて適したスタンプ台を選んでみてくださいね。

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